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リーディングスキルを伸ばす方法

リーディングスキルを伸ばす方法

英語の資格試験や受験には長文読解の問題が必ず出題されますが、長いパラグラフを読んで答えを探したり、主旨を理解したりするのが苦手という方も多くいらっしゃると思います。

英語の長文読解が苦手になってしまう原因にはいくつか考えられます。
第1に、わからない単語が多すぎて、そもそも文意を掴めないこと。
第2に、英語を読んだ後、日本語に訳してから日本語で理解しようとし、一文ずつの理解はできても文章全体の意図を捉えられなくなってしまうこと。
特に、単語や構文の理解に集中しすぎて、木を見て森を見ず、のような状態に陥ってしまいます。
第3に、読むスピードが遅いため、読み終えるまで集中力が続かないこと。

リーディング力を上げるためには、多読を習慣にすることを勧められることもあると思います。しかし、ただ大量の英文を読んでいるだけでは、リーディングスキルは上がりません。

  • そこで、少しヒントをご提案したいと思います。

接頭辞・接尾辞を知って、単語の意味を推測する

リーディングには、もちろんボキャブラリがパワーを発揮します。しかし、知らない単語があっても、文脈からその単語の意味を推測することは可能です。

英語の45%のボキャブラリがラテン語から派生していると言われていますので、フランス語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語などのラテン系の言語を話す国の人は英語を学ぶのにとても有利です。しかし、日本人でも接頭辞や接尾辞の知識があれば、なんとなくでもその単語が発している意味やニュアンスを汲み取ることができるようになり、ボキャブラリをどんどん増やすことができるのです。

接尾辞とは?
接尾辞は単語の一番後ろに付いている部分です。一部の接尾辞は、単語に意味を追加したり変更したりします。ほかの接尾辞は単語の品詞を示したり、動詞の時制を示したりすることができます。
例えば、動詞の”retract”(撤回する、(電化製品のコードなどを)引っ込める)に接尾辞の“able”がつくと、形容詞の”retractable”(撤回できる、格納できる)になります。
主な接尾辞と単語例を以下にあげてみます。

-ness: kindness、easiness
-ly: quickly、proudly
-logy: psychology、antholopology
-ity: conformity、clarity
-tion: concentration、activation
-fy: clarify、verify
-ible: accessible、edible
-able: dependable、consumable
-ant: defiant、constant
-ed: closed、used
-ence: existence、influenec
-ful: beautiful、stressful
-ism: federalism、communism
-ous: gracious、spacious

接頭辞とは?
接頭辞は単語の前につけて、単語の意味を変えます。接頭辞は単語に否定の意味をもたせたり、繰り返しを示したり、意見を表したりすることができます。

“re”は、おそらく、最もよく使われている接頭辞のうちの一つです。”re”には、「再び」、「元に」、「後ろに」という意味が含まれます。例えば、”reuse”、”regain”、 “restart”、 “resume”、”remember”、”retreat”、”regret”など。

先程の”retractable”という単語も、実は、”tract”(引く)という語根に接頭辞の”re”と接尾辞の”able”が組み合わさってできています。

否定の接頭辞
以下の接頭辞をつけることで単語の意味が否定形になります。
de-: dehydrate、deregulate
dis-: disqualify、disregard
in-: inaudible、inevitable
il-: illegal、illegible
ir-: irresponsible、irregular
mis-: misunderstand、misinform
non-: non-smoking、nonsense
un-: unbelievable、unhealthy

接頭辞や接尾辞には多くの種類があるので、是非一度、参考書やインターネットで調べてみてください。もちろん、わからない単語がその文章の重要キーワードだと思われる時は、必ず辞書を使って意味を調べましょう。

リスニング力を鍛えて、英語を英語のまま理解する

英語のネイティブスピーカーは、目で読み、耳で聞いた言葉を、その順番どおりに理解しています。日本人にも同じことが言えます。英語を聞こえた順に理解する、読んだ順に理解していけばよいのです。日本語に訳さず、英語のままの語順で理解していけば、どんどん読みすすめることができます。

そのためには、まず、リスリングの練習もセットで行うことをおすすめします。ネイティブの会話スピードはかなり速いと感じられると思いますが、このスピードに慣れ、理解できるようになれば、同時にリーディングのスピードも速くなります。なぜなら、英語を聞こえた順に理解していくクセを身につけることができたからなのです。

例えば、
“He gave me his sandwiches though he was also hungry.“ 

を 

「彼は僕にくれた。サンドイッチを。彼もお腹がすいていたが。」

と、語順に従って英語のまま理解します。どんなに長い文章でもこの手順で理解していけば、頭の中で日本語訳を作る必要もなくなります。

まずは、ご自身のレベルに合ったリスニング教材を使い、リスニング→トランスクリプトを読んで理解→もう一度リスニング、といった練習を繰り返してみてください。リーディングのスピードもどんどん速くなります。
リスニングのおすすめについては、別の記事でもご紹介しています。

バランスのとれた勉強法で!

ご存知のとおり、英語には、話す、聞く、読む、書く、といった4つの基本のスキルが必要です。これらのどれもがお互いに、直接的にも間接的に関係しあっています。リーディングスキルを上げるには、もちろん、文法の知識も大切です。リスニングも役に立ちます。

集中力が続かない時は、意識して短めの身近なテーマを取り扱っている文章から取り組むとよいです。そこに理解を問う問題が数問あればなおよいと思います。海外の小中学生向けのリーディング教材などは科学や歴史、日常生活の興味深いテーマが扱われており、理解を確かめる問題もあるのでおすすめです。

次回も引き続き、英語や学習方法についてお届けします!